ツアー旅行での病気・体調不良に対する注意点と対策
最も大事なのは、無理はせず、体の自己管理をしっかりすること。
これはツアー旅行に限らず、どんな旅行でも言えることですが、特にツアーでは団体行動が基本なため、まじめな人ほど辛い思いをすることが多いのです。 例えば「ここで体の不調を言ったら添乗員やツアー全体に迷惑がかかるのでは?」と考えてしまい、症状が悪くなるまで何も言わない方がいらっしゃいます。
しかし添乗員から言わせれば
というのが本音です。 なぜなら、行程上忙しくても症状が軽いうちに前もって言ってくれてれば、経験や知識のある添乗員ならば今後の予定やその症状・病気を考慮し、多少行程を調整しながらツアーを進めることができるのです。しかし、症状がひどくなってから言われても、行程上どうしてもその対処をする時間がない、又は、その地域にその病気や症状の対処が出来る病院や薬局などが無いなど、忙しいツアー(一般的に格安ツアー)では急な対処が難しい場合が多々あるからです。しかも、その状態になるまで我慢している本人が一番辛く、対処が遅くなることで病気が治る時間とお金も余計にかかり、良いことは何一つありません。 更に言えば、ツアー全体に大きな迷惑がかかることにもなります。
- 風邪薬や頭痛薬といった基本的な薬は必ず持参し、「変だな」と感じたらすぐに服用する。
- 体調不良を感じたら、すぐに添乗員や現地係員に相談する。
- 体調不良を感じたら、出来るだけ早めに寝ること。とにかく寝ることが重要。
- 体調不良の場合はツアーのペースに無理に合わせようとせず、無理はしない。
飛行機の機内で病気や風邪の予防対策は重要!
飛行機の機内は大勢の人が乗っているうえに大変気密性が高く、様々なウィルスが停滞しやすい環境です。 体調が良くなかったり、極端に疲れていたり、極度の睡眠不足など、明らかに体の抵抗力・免疫力が低下している状態だと、簡単に体調不良を引き起こす環境だということです。
飛行機の乗る際の体調が万全ではないという方は、マスクを着用することをおすすめします。機内でしっかりと病気の予防対策をしましょう。
また、機内で注意したいのは乾燥。湿度はなんと10%ほど! 普段以上に積極的に水分を補給するようにしてください。こういった環境の中で水分補給を怠ると比較的簡単に脱水症状となり、血液はドロドロ状態になってくるため、病気や体調不良を引き起こしやすくなります。
水分が不足すると栄養素や酸素を運べなくなり、のどが乾燥してくると風邪のウィルスに感染しやすくなるため、機内で体調不良になる方は多いです。 また、エコノミークラス症候群も水分不足が原因の一つ。
ちなみに、アルコールやコーヒー、お茶類には利尿作用があるため、水分補給としては適しません。
特に女性はお肌の乾燥対策が気になると思います。既に触れていますが、機内の湿度はたったの10%ほどで、砂漠と同じです。 実際に客室乗務員の方々も機内でのお肌の乾燥には様々な保湿対策をされていてます。
例えば、フェイス用のスプレー式ローションや、化粧水を定期的に顔へ吹きかけるなど、乾燥を抑えているようです。 乳液やクリームも保湿にとても効果的です。
エコノミークラス症候群の症状と予防・対策
エコノミークラス症候群とは、静脈の血のめぐりが悪くなり、血の塊ができてしまう病気です。 予防対策は、水分補給と身体を動かすのが一番。 トイレで席を立った時にでも、歩くなどして体を適度に動かしましょう。これによって血流が良くなり、血栓が出来にくくなります。
その他、下記の要領で適度な運動をすると良いでしょう。座席に座ったまま出来るので気軽に出来るのでおすすめです。
- 両肩を上げて、力を抜いて肩を落とす ・・・ 5 回
- 頭を左右にゆっくりと傾ける ・・・ 3 回
- 両足を床へ着き、ひざを胸の方にゆっくりと持ち上げる ・・・ 3 回
- つま先とかかとを上げ下げする運動 ・・・ 10 回
その他、ジーパンなど体を締めつける服は避けて、ゆったりとした衣類を身につけたり、靴を脱いでスリッパに履き替えるのも効果的です。
また、足を組むと血流が妨げられるため、ほどほどにすることをおすすめします。
- 下肢静脈瘤のある人や下肢の手術を受けた人
- 外傷、悪性腫瘍、深部静脈血栓症になったことのある人
- 肥満者、喫煙者、高齢者、低身長者
- 経口避妊薬の使用している人、妊娠中や出産直後の人
- 足の血管が傷んでいる人、水分をとらない人
サッカーや格闘技などで足を蹴られて、足の血管が損傷を受けている人はエコノミークラス症候群にかかり易いので要注意です。
旅行中に注意したいこと、病気の予防対策と対処法
- 睡眠を十分に取ること。
どんなに元気で体力があっても、睡眠が不足すると免疫が極度に下がるので、ちょっとした菌でも風邪をひいたりお腹をこわしたり、体がだるくなるなど、必ず体調不良を引き起こし、病気の元になります。 - 水分をしっかり取ること。
水分は体の源。これが不足すると必ず体調不良を引き起こします。 しかし、バスツアーではトイレが心配で水分を控える方がいらっしゃいますが、特にヨーロッパや中東などの乾燥をした地域では、汗をかいていなくても自然に水分が体から出ています。 事実、ヨーロッパでツアー中に体調を崩す方の多くが水分を取っていないのです。
また、アジアなど湿気が多い場所では動かなくても自然に汗として水分が出て行くだけではなく「喉が渇いた!」と感じないことも多いので、意識をして水分補給をすることが重要です。 - 食事をしっかり食べ、脂っこいものを取り過ぎない、食べ過ぎに注意。
特に海外では脂っこい食事が多く、胃がもたれて下痢をし易い。特にご年配者は注意。また、ホテルの朝食ではビュッフェ・スタイルが一般的で、ついあれもこれもと色々取り過ぎてしまう方が多いので注意しましょう。また、食後のスケジュールでハイキングや歩く時間が長い場合などは、食事の量も考えること。 朝食はとても大事ですから、忙しくても必ず食べましょう。 - 疲れたと感じたら、適度に休憩を!
特にヨーロッパなどは町が古く、町の中心まで大型バスが入れないため、歩く距離は相当なものです。また美術館も長い時間立ちっぱなしなため非常に疲れます。そんな時は、こまめに腰掛けるようにしましょう。また、最近のツアーはイヤホン・ガイドを取り入れたツアーが多いので、美術館ではガイドさんの説明中でも気にせずにイスへ腰掛けてください。とにかく休める場所で休むことです。これが一番上手いのはご年配の方。体力の衰えと共に、自然と体の休め方を習得していくのでしょう。ご年配の方々を見ていると、とても参考になります。
自由行動中なら、適当な所でカフェで一息つくのもおすすめです。 - ビタミンCを積極的に取ろう!
疲れている時は摂取しやすいビタミンCがお勧め。 ビタミンCは体の抵抗力を高める働きがあり、体の疲れを取ってくれます。 更に、ビタミンCは体を疲れにくくする働きもあるので、疲れる前に取るのも効果的。 その他、糖質をエネルギーに変えてくれるビタミンB1も疲労回復にとてもよく働きます。筆者は過酷な海外出張中、常に実践していたことは、朝食でオレンジジュースがあるホテルでは必ずオレンジジュースを1杯飲むことです。 ビタミンCが取れるだけではなく、オレンジジュースはカロリーが高いため、1日の始まりである朝に必要なエネルギーを補うことが出来るのが理由です。
ただ、気持ちが悪い時、吐き気があるときは、摂取しないように。 ビタミンCは胃酸を余計に即してしまうためです。
海外旅行で本当に役に立つ病気やケガの予防・対策を紹介した、旅行者のための医学ガイドブック。 旅行中のケガ、海外旅行保険の落とし穴、持病のある人、海外の病院…出発前から旅行中、帰国後まで、知っておきたい病気の基礎知識が満載! 旅行へ行く際にとっても心強い1冊です。
本書を添乗員に推奨している旅行会社もあり、筆者もこの本を随分と参考にしています。
時差ぼけの解消法と対策
時差ボケは病気とは違い、時間の経過と共に解消していきますが、睡眠障害の一種で体がだるかったり、食欲が無かったりと、楽しむどころではないという方もいらっしゃるでしょう。 一般的に時差が4〜5時間違ってくるとその症状が出やすくなります。
日本出発前にできる時差ぼけ対策や、現地での解消法など、下記で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
海外旅行保険について
海外旅行保険が付帯のクレジットカードを持っている方は、自動付帯なのか、旅行費の支払いをしないと保険適用にならないのか、必ず確認すること!
また、クレジットカード付帯の海外旅行保険は保障が十分ではないことがあったり、何かと制限があったりすることが多いため、それらを確認する手間を考えたら初めから海外旅行保険に申し込んでおく方が確実に安心と言えます。下記のリンクにておすすめできるネット申込み専用の格安海外旅行保険をご紹介してるので、興味があれば見てみて下さい。
ちなみに、一般的な保険会社の対応では、現地で病気になり日本へ帰国後、近所の病院に行った場合でも、保険は支払われます。 ただし、72時間以内に医師の治療を開始した場合に限ります。
覚えておくと良いでしょう。
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