一人旅とは、ツアーではなく、友達など誰かと一緒でもなく、文字通り一人だけで旅をする旅行スタイル。一人旅の魅力は、誰に気を使うことなく、自分の意思で好きな場所へ、好きな時間だけ、思う存分に旅を楽しめること。宿泊する場所も食事も移動手段も、予算に合わせて全て思いのまま。誰に合わせる事なく、まさに自分だけの旅。
一人旅へ出るか出ないか、考える時間があったら一人旅の準備を始めよう!
そして旅しましょう。初めて見る世界が待ってます!
目次
- 参考情報1: 海外個人旅行 完全マニュアル
実際の個人旅行の様子を写真付きで解説します! - 参考情報2: 初めての海外バックパッカー
バックパッカーの旅の準備の仕方から旅の様子まで解説!
一人旅での言葉 最低限の英会話レベルは?
海外一人旅に興味を持つ人の多くが、一番気にしているであろう言葉の問題。
「英会話に自信が無いから、海外を一人で旅するなんて自信がない」 多くの人がまずこう考えて諦めてしまうパターンが多いです。では実際どうなのか?
結論から言えば、中学生レベルの英語で海外一人旅は出来る!
文法もあやふやで大丈夫。中学生で習った英単語さえ分かれば大丈夫です。例えば、海外一人旅で最低限必要な英会話の内容はこんな感じです。
- ○○行きのチケットを1枚下さい。 いくらですか? 何時に出発ですか?
- 予約をお願いします。
- シングルルーム1部屋(ドミトリー1ベット)空いてますか? 2泊したいです。朝食付ですか?
- 予約してます。チェックインお願いします。
- ○○はどこですか?
- ○○が欲しいです。
- このバス(列車)は○○に行きますか?
これらが英語で言えれば海外一人旅に行けます。大丈夫です! 文法が間違ってても通じます。
そもそも、英語圏でない国なら相手の英語も片言かもしれません。例えばそういう相手に Does this bus go to the airport? (このバスは空港に行きますか?)と正しい文法で話してもなかなか通じません。それどころか、英語に拒否反応を起こして話しを聞いてくれない人も。そんな時にどうするか? Go to airport? と言えば伝わる可能性が高いです。こんな感じで、正しい文法で話すよりも単語を並べただけの方が通じる事が多々あります。英語が得意でない相手に伝えるコツは、正しい英語ではなく「5ワード以内で単語を並べただけの簡単な文」で話すことです。
例えば、ホテルでは宿泊するのが目的に決まっていますから、「ワンナイト シングル ハウマッチ?」と3つの単語を並べるだけでも、ホテルの人は貴方が何を知りたいのか理解してくれます。
駅の窓口に行けば、列車について知りたいことがある、又は切符が欲しいという目的で窓口に来るのが普通ですから、「どこに、いつ、何時に」という重要なポイントさえ通じれば、普通はどうにかなります。レストランでは食事が目的に決まってますから、メニューが読めなくても「おすすめ料理を教えて下さい!」と聞いてみておすすめ料理を教えてくれたら「ディスワンプリーズ!」でも注文できるわけです。または、誰かが食べている料理を指差して「ディスワンプリーズ!」でも食事できるんです。
思っているほど難しいことは無く、相手も外国人観光客に慣れてますから、片言の英単語とジェスチャーでだいたい理解してくれます。
ちなみに、中南米では英語がペラペラでもあまり意味がありません。人々がまるで英語を知らないからです。「ワン ツー スリー」も通じない人が、そこらじゅうにいます(笑)。だからといって、スペイン語が話せなくてもスペイン語の単語を片言並べていれば普通に一人旅は出来ます。それなりに旅慣れているという条件が付きますが・・・。
つまり、語学力はさほど重要ではないということです。重要なのは 積極性と伝えようとする気持ち です。わかりやすいのはお笑いタレントの出川哲郎さん。彼の英語力はかなり酷いですが(自由の女神を「フリーウーマン」と言ってました 笑)、最終的には積極性と伝えようとする熱意でしっかり目的を達成させたコミュニケーション能力の高さは流石だと思います。
大事なことなので再度言いますが、重要なのは語学力ではなく “気持ち” です。
初めての海外一人旅。おすすめの国はどこ?
初めての海外一人旅で重要なこと、それが国と町選び。
初めての海外旅行でも旅がしやすい国、旅慣れていても旅がしづらい国や地域など、場所によって旅行事情も様々。つまり、この選択を誤ると海外一人旅で苦労をするどころか、危険な目に遭う可能性もあります。だから、国や地域選びがとても重要です。
そこで、世界67周以上・世界580都市を旅してきた筆者が「初めての海外一人旅」でおすすめの国をいくつか選んでみようと思います。
バンコク(タイ)
NHKの番組で特集されたカオサンロードの様子で、画面右下のワイプに映っている解説者が筆者です。海外一人旅についてお話をさせて頂きました。
タイのバンコクは日本から直行便が多いため、航空券も格安。世界中からバックパッカーが集まる人気観光地なので一人旅、個人旅行者向けの旅行サービスが豊富。物価も安くて学生さんでも気軽に行けるのがおすすめのが理由です。
中でも、世界中のバックパッカーが集まる世界的に有名な場所が、カオサンロード(Khaosan Road)と呼ばれる場所。
実際にはカオサンロードと、その周辺のいくつかの路地を含む一帯を示します。
このカオサンロードは、わずか300mほどの通りに、バックパッカー向けの格安ゲストハウスや旅行代理店、両替所、オシャレなレストランやバー、格安の屋台、古本屋、ランドリー、バッグ屋さん、衣料品、土産物店が連ね、個人旅行者に必要な全てのお店が密集しています。
例えば、カオサンロードの旅行代理店では、タイ国内の長距離バスや、空港までの送迎バスのチケット、バンコク発着の現地ツアーなどネット購入できない安くて便利なチケットが売られています。英語を母国語としない世界中のバックパッカーを相手にしているため、片言の英語でこちらの要望を理解してくれるので、様々な情報とチケットが簡単に手に入ります。
つまり、旅に必要なものは全てここ1か所で事が済むので、初めて海外一人旅する人にとっては勝手が良く、ここを拠点に世界中を旅することも可能です。ちなみに筆者もバンコクを拠点に世界中を旅してきた一人。突然行きたい国が増えたら古本屋へGo! バックパッカーが旅を終えて売りに出した世界中のガイドブックが売られているので旅行情報の収集にも困らない。
2000年初期の頃までは「バックパッカーの聖地」と言われてきたカオサンロードも、現在ではカオサン離れが進み、立地が良く小奇麗なゲストハウスが多いスクンビット地区(宿泊費は少し高めですが)にバックパッカーが移りつつつあるため “聖地カオサンは過去の話” という声が出ているのは事実。ですが、上記に挙げた一人旅に欠かせない要素が1か所に集まっていることに変わりはなく、やはり初めての一人旅でバックパッカー慣れするには都合が良い場所です。
ロンドン(イギリス)
衛生的でオシャレな街並みが好みというならロンドンはおすすめです。
英語圏なので全ての表記が英語。中学校で覚えた片言の英語で旅行ができる安心感もあります。世界屈指の人気観光地なのでホテルやレストラン、観光情報も豊富で困ることは無いですし、日本でネット手配できる事が多いので現地での不安も随分と少なく出来ます。更に、公共交通手段が発達しているので町歩きも簡単。また、飛行機の便数が多くて航空券も安く、空港から町中心へのアクセスがわかりやすいのもポイント。
治安も悪くなく、初めてのヨーロッパ一人旅でも安心で旅行しやすい町です。少し慣れたらユーロスターに乗ってパリにも行けます!
アムステルダム(オランダ)
特に女性一人旅で人気定番コースになっているのがヨーロッパ周遊ですが、アムステルダムはヨーロッパ周遊の入門に最もおすすめの町です。
まず英語が誰にでも通じるので、他のヨーロッパ諸国とは比較にならなほど安心感があります。そして空港から町中心へのアクセスが素晴らしく、空港からアムステルダム中央駅まで電車でわずか15分程で本当に簡単。日中は治安も良く町は広くないので徒歩でも観光できますし、列車がとても発達しててわかりやすいので、近くの町に行くのも簡単。ヨーロッパ鉄道の旅の練習に最適です。
そしてオランダはヨーロッパの中心に位置している交通の要衝でもあるので、フランス、ベルギー、ドイツ、ルクセンブルクなどへ電車で乗り換え無しで行けるんです! 初めてのヨーロッパ周遊には最高の条件が揃っています。実は筆者の海外一人旅デビューはまさにアムステルダムでした。わずか10日間ほどでしたが、アムステルダムからベルギー、ルクセンブルクを周遊した経験が今の筆者の原点になっています^^
ニューヨーク&サンフランシスコ(アメリカ)
基本的にアメリカは公共交通手段が発達しておらず、車が無いと移動が不便なため初めての海外一人旅向けではないのですが、ニューヨークとサンフランシスコは公共交通手段がとても発達しているので、とっても旅行しやすい町なんです。
中学校で覚えた片言の英語で旅行ができる安心感があるあたりはロンドンと同じです。世界的な人気観光地なのでホテルやレストラン、観光情報も豊富で困ることも無し。特にサンフランシスコは全米でも美食の町で知られているので食べ物も満足できると思います。
ただ、筆者も全米を旅しつつサンフランシスコ近郊に1年間住んでいましたが、どちらの町も物価は高かったです。特に宿泊代が高いのはネックですね…。
とは言え、アメリカ人は誰に対してもフレンドリーな性格の人が多いので、困ったときに話しかけやすいですし、日本はアメリカ文化の影響を強く受けているので生活文化の面で似た部分が多く、ヨーロッパや東南アジアほど戸惑うことは少ないです。注意点としては、日中の治安は良いですが、地域によって、又は夜になると激変しますから治安情報はしっかり確認しましょう。銃社会であることをお忘れなく。
シェムリアップ(カンボジア)
バンコク同様に物価も安く、バックパッカーが多いので一人旅に欠かせない安いゲストハウスやレストラン、観光サービスが豊富です。人が親切なのでわからないことがあれば宿の人がいろいろ教えてくれるため情報収集も簡単。ゲストハウスで長距離バスチケットが買えたり、チケットが買える旅行代理店を調べてくれたり、個人旅行者にとってゲストハウスはとても心強くて便利。コミュニケーションも外国人観光客に慣れているので片言の英語でも十分OK。
一人旅に慣れていないと移動で大変な思いをすることが多々ありますが、トゥクトゥクが安くて安全なので気軽にチャーターできて大変便利。ちょっとした移動からアンコールワットの観光まで何でもこなしてくれます。
日本人の若者に人気がある観光地なのでネット情報が多く、ネット検索だけで様々な情報が得られるので旅の準備もしやすいです。
台湾
本当に何もかもが不安だけど一人旅してみたいという人におすすめなのが台湾です。
親日で知られている通り皆親切ですし、日本語が通じる場所が比較的多いので、困ったことがあっても安心。情報も豊富で短期間でもOK。物価も安めで食べ物も美味しく、衛生面も治安も悪くないなど、海外旅行初心者でも安心です。
一人旅の準備のしかた
海外一人旅の準備の仕方はスーツケース、又はバックパッカースタイルで行くのか? 複数都市で移動が多めか、又は1か所滞在か? など、旅行の仕方によって細かな違いはありますが、どちらにしても基本的な準備のしかたはあります。そこで、筆者の場合の「準備のしかた」を簡単にご紹介します。尚、それぞれの項目についての詳細は、別ページでご案内しているので下記ページを参照してみて下さい。
- 興味のある国のガイドブックを読み、行きたい町をリストアップする
- 旅行日数で収まるよう行く町を決める
- スタートとゴールの町を決めて旅程を組んでみる
- 旅程が決まり次第すぐに航空券を予約する(目安は遅くても2~3ヶ月前)
- ホテルを予約する
参考:ホテルの選び方 - ヨーロッパの場合は都市間の移動手段や時間を調べ、何時の列車に乗るかを決定し、必要があるならチケットを手配する
参考:鉄道の調べ方と手配のしかた - 1日ごとの予定を決める。観光名所、レストラン、公共交通機関なども同時に調べておく
- 町歩きのための詳細な地図を用意する
- お金の準備のしかたを考えておく。クレジットカードや国際キャッシュカードの準備、両替事情、ATMの有無など、現地での支払いで困らないように調べておく
- スーツケース、又はバックパックを用意する
- その他必要な旅グッズを揃える
- 海外旅行保険を申し込む
参考:安くてお得な海外旅行保険 - ガイドブックを熟読しましょう。特に、トラブル事例は必ず熟読すること。海外でトラブルに合うケースのほとんどが、実はガイドブックにも書いてあること。つまり、知っていれば防げるような初歩的なことばかりということです
女性の海外一人旅で注意すること。危険を避けるアドバイス
男性でも女性でも基本的な海外一人旅の注意点というのは同じですが、女性ならではの注意点もあります。やはり、力の弱い女性(たまに強い人もいるが)は、狙われやすいというのは事実です。特に夜間は性犯罪に巻き込まれるリスクが高まるため、単独で夜に出歩かないのは世界中の女性一人旅の常識。このように、基本を守ればそこまで心配することはないので、下記に注意事項をご案内しておきます。
- 日中であっても人通りが無い場所は歩かない
- 暗くなったら人通りが多い場所だけを歩くこと。また、旅行の計画時に夜に移動をするような旅程を立てないこと。ホテル探しをする場合は、必ず日中に出来るよう旅程を立て、どうしても到着が夜になる場合は事前にホテルを予約しておき、タクシーでホテルへ直行する
- 場所にもよるが、露出度の多い服装は出来るだけ避ける。特に宗教上肌の露出が良しとされない国では特に注意。基本は現地の人の服装に合わせる
- ブランド物は持たない。アクセサリーもほどほどに。海外では「ブランド物=お金にゆとりある人が持つ物」という考え方が常識であることを認識すること
- 上部が開きっぱなしのトートバッグは論外。必ずファスナーなどで開閉できるカバンを持つこと
- 困っているのがわかる状況(表情やしぐさなどで)だと、声をかけてくれて助けてくれることは多々あるが、特にそういう状況でもないのに男性が声をかけてくる場合はほぼ100%下心、又は騙すために近づいてきているので絶対に相手にしないこと。徹底的に無視を貫ぬき、しつこい場合は怒った表情で “No!!” と一喝しましょう。表情は大事です。
その他、イスラム圏はナンパやセクハラされる度合いが高く、相手が困ってることを良い事に上手いことを言って誘うゲス男も少なくないので特に注意。左の薬指に指輪をして既婚者を装うなどの対策も多少は効果あり - 街中で「どこに泊まっているの?」と、ホテル名を聞かれたら、その人物は絶対に相手にしないこと。何かをたくらんでいない限り、聞かれる質問ではありません。無論、一切答えてはいけません
- タクシーを利用する際は出来る限り宿やレストランなどで呼んでもらうか、正規のタクシー乗り場から乗る。流しや客引きのタクシーは極力避けること
- 女性一人旅では、絶対にヒッチハイクをやらないように
- 同じ宿で仲良くなった人であっても、夜に女性一人で男性の部屋を訪ねる、または自分の部屋に男性を入れるのは絶対にダメ!とは言いません。大人ですから他人のプライベートに首を突っ込む気はありません。ただ、これらの行為は「エッチOK」と言っているのとほぼ同じだという世界の常識を知った上で判断をして下さい
- 見知らぬ人と「二人っきり」になることは避ける。周りに誰もいない状況では何かあった場合に助けを呼ぶことが出来ず、とても危険です
「知らなかった」では済まないことが、女性の場合は多々あります。
男性でも女性でも、無知は災いの元ですが、特に女性は身の危険に直結しますから、しっかりと予備知識を事前に得るようにしましょう。
ただ、上記でご紹介していることは特に難しいテクニックがいるわけでもなく、心がけていれば守れることばかりです。基本さえ守ってれいれば大丈夫ですから、そこまで心配はいりません。基本を押さえましょう!