私がまだ小学1年生の時、家族でグァム・サイパンに行ったのが初めての海外旅行。その頃は海外旅行もまだ珍しく、グァムに行ったというだけでクラスを通り越して学校中の話題になったことを今でも憶えている。
初めての一人旅は20歳の時、冬のベネルックス10日間ほどの旅。一人バックパックを担いで移動は列車、食事はスーパーでパンとハムを買いサンドイッチが中心、安いホテルも現地で捜し歩いた。いい刺激だった。
たった10日間の旅で変な自信を付けた私は、再度ヨーロッパへ渡り3ヶ月間旅をする。
その2年後、昼と夜でアルバイトを2つ掛け持ちしながら必死に貯めた全財産を握り締め、私はカリフォルニア州 オークランドにいた。語学留学のためだった。
1年間、アメリカ人の家庭で生活をしながら英語を学び、アメリカ社会での生活の術も同時に学んだ。実は中学、高校時代はとにかく英語が大嫌いだった。それが自らの意思で英語を勉強しに行くなど、想像もつかないことだった。
留学のきっかけになったのは一人旅で出会った現地の人や、ユースホステルで出会った世界中の旅仲間。人々との出会い、コミュニケーションである。 片言の英語で満足な会話も出来なかったが、言葉が出来なくとも人は分かり合えることを実感。しかし、言葉が分かれば更に相手を理解し、世界が広くなることに興味が湧いたのが留学を決意した理由。
アメリカの学校を卒業した後もすぐには帰国はせずに北米大陸を旅し、帰国後もわずか数ヶ月の日本滞在で再び旅に出た。 アジアから中東へ入りヨーロッパへ。そこからジブラルタル海峡を渡りアフリカ大陸。
そして再び中東を旅しながらアジア経由で日本へ帰国。6ヶ月間の旅だった。
これまでの旅を通じて私は本当にいろいろなことを学んだ。人をもてなす心、親切への感謝、食べ物の有り難さ、人種や宗教などによる人々の考え方、人種や宗教などは関係ない”人”としての考え方や接し方に触れ、それらを肌で理解し、人として分かり合うことの重要性や、多くのことを受け入れることができる広い視野と心が持てるようになった気がする。
また、全てのリスクは自分が背負い、自分の身は自分で守るという自己管理能力、自ら考えて行動に移す判断力、金銭感覚など、生きるための力、ハングリー精神も同時に鍛えられた。
おかげで現在、よほどのことがない限り驚かないし、うろたえる事も無い。
これらのことは親も学校も教えてはくれない。というよりも、教わるのではなく自らが肌で学ぶことに意義がある。
『可愛い子には旅をさせろ』という言葉はあらためて感慨深い言葉であることを実感すると同時に、昔の人は本当に良い言葉を残したものだと感心する。
旅とは、人々との出会いと悲しい別れ、人類が築き上げた文明、文化、そして天が与えた大自然など、未知との出会いを与えてくれ、人の心に必ず何かを語りかけてくれる。 その感動があるから、また旅へ出たくなる。
旅とは本当に素晴らしい。私は、永遠に旅人でい続けたいと思う。
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